「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。」
1988年に公開され、不朽のアニメ作品を生み出し続けるスタジオ・ジブリの代表的作品の1つ「となりのトトロ」のキャッチコピーです。
「まだ日本にいる」というあたりが古き良き日本の原風景を思い起こさせてくれるようなフレーズですね。
そしてそのモデルの地となった場所があると知ったトトロファンは胸がときめいたはず。
まだ日本にいるのです…いや、いてほしい(笑)
今回は、金曜ロードショー「3週連続 秋のジブリ」を記念し、日本各地に存在するトトロゆかりの地を紹介します。
このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。
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狭山丘陵
実際にモデルとなった場所がここです。
埼玉県と東京都のと都県境に広がる丘陵です。
地方出身の私としては初めは驚きでした。
首都圏=都会という図式があったので(笑)
「あんなに魅せられた世界がそんな都会にあるの?まぁ昔の話だしな~」と。
しかし、嘆くことなかれ。
今でも映画の世界ほぼそのままに狭山丘陵は自然豊かな美しい里山です。
トトロのふるさと基金の方々がナショナルトラスト活動の下、市民の皆様から寄付金を募り、この里山の土地・森林を買い取り、環境保全に努めていらっしゃいます。
1991年8月にはじめて森を買い取り、トトロの森1号地と名付けられ、それ以降も森の買い取りを続け、2016年9月にはトトロの森40号地にまで広がりました。
市民や全国の皆様から集められた寄付金は、2016年8月現在で9億2,000万円にも上ります。
集まった寄付金は、そのまま森を買い取る費用として使われます。
「となりのトトロ」の場面はそのほとんどが自然の風景。
人が自然に囲まれ、溶け込みながら共生している姿は、私たちに何かを訴えかけているようでもあります。
その美しい自然に魅せられ、訪れる人も多く、様々な大切なルールがあり、お散歩マップの用意まであります。
お散歩の際はつい、かの曲を口ずさんでしまいそうですね。
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ナショナルトラスト活動とは?
市民や企業から寄付金を募り、後世に受け継がれるべき美しい自然や歴史的建造物を買い取り、価値ある遺産・文化財として保全活動を行う運動のことです。
狭山丘陵にある施設
- クロスケの家
- 狭山丘陵いきものふれあいの里センター
- さいたま緑の森博物館
- 東大和市立郷土博物館
- 里山民家
狭山丘陵の見どころ
- 菩提樹池
- 八国山緑地
- 都立狭山公園
- 六道山公園
- 都立野山北・六道山公園
- 荒幡富士市民の森
<アクセス>狭山丘陵は広大なため目的地によってアクセス方法は様々です。参照元を御覧ください。
参照元:トトロの森の紹介|公益財団法人 トトロのふるさと基金
濃溝の滝(千葉県君津市)
まるでジブリの世界ということで通称「ジブリの滝」と呼ばれ、近年有名になったスポットです。
天候によって様々な表情を見せてくれるのが魅力で、洞窟の向こう側から太陽の光が差し込んできた時の絶景は神秘的です。
曇り空など天候があまり思わしくない場合でも、水面の美しさや洞窟は感動的ですので、十分楽しめます。
滝が流れる「亀岩の洞窟」は元々川の流れを変えるための人工的なもので、「川廻し」という工法で江戸時代末に作られたと見られます。
東京から1時間ほどで行けるロケーションということで、多くの人が訪れるスポットとなり、夏は蛍、秋は紅葉も楽しめます。
どちらかというとトトロよりは「もののけ姫」のシシ神が出てきそうな雰囲気ですよね。
<アクセス>
■電車でお越しの場合
JR内房線木更津駅で、JR久留里線に乗り換え、「上総亀山駅」下車、デマンドタクシー(要予約)で15分
デマンド問合せ先
0439-27-3188
(8時~18時)
■高速バス
カピーナ号(千葉駅発)もしくはアクシー号(東京駅発)にて、「君津ふるさと物産館」下車、徒歩20分
高速バス問合せ先
(カピーナ号)千葉中央バス
043-300-3611
(アクシー号)日東交通
04-7092-2354
■車でお越しの場合
館山自動車道「君津」ICを降りて房総スカイライン~県道92号線を鴨川方面
(ナビ設定される場合は、君津市笹1954-17と入力してください。)
参照元:君津市観光協会【公式】
ととろのバス停、ととろの森(大分県佐伯市)
大分県佐伯市宇目というところに「ととろのバス停」なるものがあります。
轟(ととろ)とはこの地に実在する地名であり、大分県と宮崎県を結ぶ国道326号線にも「ととろ入り口」という交差点があります。
ととろのバス停の周辺は、わずかな民家があるとてものどかな場所であり、トトロの舞台のモデルとなった狭山丘陵に似ています。
元々は近所に住む少女が「となりのトトロ」好きで、「ととろ」というバス停に母親と書いたトトロのイラストを置いたことが発端となり、観光地化していきました。
その後、猫バスやサツキとメイのパネルなど様々なものがお供え物のように周辺に置かれるようになり、駐車場が出来、観光地としてメディアなどでも紹介され有名に。
パネルなどの作品が公式のものかと思われるほど完成度が高いですが、個人制作のようです。
バス停の周辺には「ととろの森」なる樫の木があり、木の枝にセメントで作られたおびただしい数のトトロ人形が置かれています。
トトロ人形のお腹のあたりには願い事が書かれているものも多くあります。
手作り版トトロの里といった感じでしょうか。
<アクセス>JR豊肥本線三重町駅よりR326、県道6経由、延岡方面へタクシー30分、ととろ入口右折
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トトロの森(山形県米沢市)
山形県は米沢にもトトロの森はありました。
米沢の中心部から車で20分ほどの畑の中にそれはあります。
森といっても大小18本の杉の木とケヤキの木、3本の桜の木で形作られた、トトロの姿形をした樹木の集合体です。
背の高い2本の杉がトトロの耳、桜の木が尻尾となり、春先には尻尾がピンク色に染まり可愛らしい姿になります。
周辺には畑と展望台以外に何もなく、視界の開けた場所にポツンと立ってます。
森としては小さな森でも、胴回り約80メートル、直径約25メートル、高さ約30メートルとかなり巨体で、遠くからでもはっきりとトトロの姿が見てとれます。
広々とした畑の中に静かに佇むその姿は、見る人の心をほのぼのと穏やかにし、癒やしを与えてくれ、気持ち良さのあまりボーッとしてしまいそうです。
<アクセス>トトロの森・アクセス・地図・情報・リンク
参照元:トトロの森を守る会トップ
まとめ
今回は全国からこの4箇所の代表的なスポットをご紹介しましたが、もっと細かく見ていくと、トトロにちなんだ場所は他にもいくつかあるようです。
映画「となりのトトロ」の影響力の大きさを感じずにはいられません。
目まぐるしい時代の変化の中で失われつつある、受け継がれるべき生き方や価値観。そして文化。
「となりのトトロ」は単なるエンターテイメント作品ではなく、そういった失われつつあるものを、今一度考えさせてくれる芸術的価値のある作品です。
何度見てもまた新たな気づき得られることでしょう。