じゃがいも料理で何が好きですか?
ボリュームたっぷりのイメージが強いじゃがいもは、実はとってもヘルシーなパワフル野菜。
私たちの食卓にとって身近なじゃがいもと皮には知られざる魅力があったんです。
おいしいだけじゃないじゃがいもとその皮の栄養、ダイエットや美肌にもうれしい効能、おいしい茹でかたをご紹介します。
じゃがいもの効果効能
ダイエット効果あり?炭水化物だけどカロリーは?
じゃがいものカロリーはご飯の約半分
いきなりですが、「じゃがいもダイエット」ってご存知ですか?
じゃがいもにはダイエットの敵といわれる炭水化物が含まれます。
しかし100gあたりのカロリーを見ると、ごはんの168kcalに比べ、じゃがいもは76kcalと約半分です。
じゃがいも100gはだいたい中くらいサイズ1個くらいなので、おにぎり1個(100g)180kcal分は、じゃがいもに換算すると2個ちょっと。
食べごたえありますね。
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満腹指数
シドニー大学の研究グループによって開発された『満腹指数』というものがあります。
満腹指数とは、様々な食品における満腹感の得やすさを数値化したもの。
食パンを基準(100%)とし、白米は138%、バナナは118%です。これらに対してじゃがいもは323%。食パンの3倍以上、白米の2倍以上の数値となっています。
参考:満腹指数の論文
じゃがいもは満腹になりやすい効率のよい炭水化物なのです。
整腸作用、脂肪蓄積防止
じゃがいものデンプンであるレジスタントスターチは、腸内環境を整える作用があります。
じゃがいもにはダイエットに欠かせない食物繊維も含まれていますので、便秘解消と体脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待されます。
さらに、じゃがいもの皮にふくまれるポリフェノールには脂肪の蓄積を抑える作用が期待でき、カリウムはむくみ防止とデトックスの作用があります。
じゃがいもに含まれるビタミンB1は糖質がエネルギーにかわる代謝を助ける作用があり、ビタミンCは脂質代謝の作用があります。
満腹指数が高く、血糖値が上がりにくい、整腸作用、脂肪蓄積防止、エネルギー代謝。
よりその効果をえるには冷めた状態で食前に食べるのがベストといわれています。
お肌にも良い?
お肌に良いものの代名詞ともいえるビタミンCが、じゃがいもにはたっぷり含まれています。
ビタミンC
ビタミンCには以下の働きがあります。
- コラーゲンの生成を助ける。
- コラーゲンと一緒にとることで肌の弾力を生む。
- 抗炎症作用で、ニキビに効果的。
- 紫外線を浴びた肌のダメージを最小限にふせぐことによる美白効果。
ビタミンCは蓄積できずに排出されてしまうので、食事ごとに補給したい栄養素ですが、加熱に弱いという特徴があります。
ところがうれしいことに、じゃがいものビタミンCはデンプンに守られているため、加熱によるビタミンCの損失が少ないのです。
ビタミンCの1日の摂取推進量が100gとされていますので、じゃがいも中くらいを1個食べたら1日に必要な3分の1をとることができます。
これはみかん1個のビタミンCに匹敵する量なので、必要量まで意外と簡単に手が届きそうですね。
整腸作用、むくみの解消による美肌効果
また、食物繊維とレジスタントスターチの整腸作用によって、老廃物の排出と栄養の吸収がよくなって美肌効果につながります。
カリウムには、ニキビや毛穴がふくらむ原因とされる、むくみの解消の効果が期待されます。
体の中からお肌に働きかけるじゃがいもの美肌効果で、ツルツルお肌を手に入れちゃいましょう。
免疫力を高め、病気の予防にも?子供にぴったり?
風邪になったとき、体の中では白血球のひとつ、好中球がウイルスと戦っています。
ビタミンCは好中球を活性化し、強くする作用があるといわれています。
血液中のビタミンCが多い人ほど、白血球の働きが高く、ウイルスを退治する免疫力が高いとされています。
じゃがいもの皮
じゃがいもの皮にも免疫力アップの栄養が入っています。
皮にはポリフェノールの一種クロロゲン酸が多く含まれていて、抗酸化作用が期待されます。
睡眠中は免疫細胞が活性化するといわれているので、「風邪かな?」と思ったら良い睡眠とじゃがいもをとって、早めの対策で風邪を退治しちゃいましょう。
子どもにぴったり
幅広い栄養素とファイトケミカルで、健康な体には欠かせないじゃがいもは、野菜嫌いなお子さまにとって救世主的野菜となってくれそう。
2017年7月の調査でじゃがいもは「子どもが好きな野菜ランキング」2位に選ばれています。
【好きな野菜/嫌いな野菜/ランキング】子供の定番!日本人の好きな野菜料理「子供と大人の野菜ランキング!野菜嫌いを克服する為の野菜メニュー特集」 | BIJOH [ビジョー]
お子さまに人気の高いじゃがいもは、成長に必要なエネルギーを効率よくとれる食品であり、発育のビタミンといわれるビタミンB2、骨と歯の成長にかかせないカルシウム、リン、マグネシウム、イライラ解消の効果が期待されるナイアシンなど、心身の成長に必要な栄養素をあわせ持っています。
食べ盛りのお子さまには、じゃがいもの腹持ちのよさはうれしい要素ですよね。
また、食が細いお子さまにも、スープ、マッシュポテトなどつぶした調理なら消化がよく、口にしやすいメニューといえます。
食べなきゃ損する?じゃがいもは皮が大事?
みなさんは、じゃがいもの皮を捨ててますか?
丁寧な下ごしらえで素材のよさを活かす和食になじんだ日本人にとって、皮をつけたままというのに抵抗がある方も少なくないかもしれません。
でも、いま皮は栄養や効能の高さで見直されている人気アイテムなんです。
皮ごと食べた方がよいといわれる野菜たちは、基本的に皮と身の間がもっとも栄養が高い部分といわれています。
じゃがいもの皮はその中でも優秀で、じゃがいもの栄養のうち20%が皮にあります。
中心部に比べると、デンプンやタンパク質、ビタミンB6、葉酸、ミネラル、ポリフェノールが多いといわれています。
栄養だけではなく、肌トラブルの解消や、体の免疫力などを高めてくれる機能性も皮には含まれているといわれています。
「皮には防菌、防虫効果、創傷治癒作用、抗酸化作用がふんだんにある」
(出典:「若返り食堂」 著者:南雲 吉則)
ただし、皮のままお料理するときは、農薬の残留や土ほこりをしっかり洗い落としましょう。
流水をあてながら、たわしなどでしっかり洗ってからキッチンペーパーなどで拭きあげると安心です。
下ごしらえの際には、緑色に変色した部分は切り落とし、芽が出た部分はしっかりとえぐり取ってからお料理に使いましょう。
じゃがいもの毒とは?
じゃがいもを食べるときに注意したいのが「ソラニン」「チャコニン」という有毒物質です。
ソラニンとチャコニンは、芽や皮が緑色になったところに含まれています。
いもに日光があたったり、傷がついたりするとその部分に有毒物質がたまって色が緑に変わります。
これらを食べてしまった場合、吐き気やおう吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがあります。
ソラニン、チャコニンは加熱しても分解しないので、量は減りません。
取り除けば安心して食べることができますので、皮ごと調理する時は皮の状態を必ずチェックする必要があります。
芽が出た部分はしっかりとえぐり取り、みどり色の部分やそのまわりは皮を厚めに切り落としてから調理します。
(参考:農林水産省ホームページ )
じゃがいもに含まれる栄養成分や特徴
じゃがいもは「畑のりんご」と称されるほど、栄養豊富な根菜だとご存知でしたか?
穀物と野菜の両方の良いところを持ち合わせたじゃがいもの栄養成分をみていきましょう。
●じゃがいもの食品成分表
水分 | 79.8g |
タンパク質 | 1.6g |
糖分 | 17.6g |
食物繊維 | 1.3g |
ビタミンB1 | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ナイアシン | 1.3mg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
葉酸 | 21μg |
ビタミンC | 35mg |
カリウム | 410mg |
鉄 | 0.4mg |
リン | 40mg |
カルシウム | 3mg |
マグネシウム | 20mg |
主な栄養の特徴をご紹介します。
ビタミンC
じゃがいもの自慢の栄養といえば、豊富なビタミンC。
その量は、ほうれん草やミカンとほぼ同じといわれるほど。
「しかも、じゃがいものビタミンCは加熱に強いのが特徴です。ほうれん草は3分茹でると半分に減ってしまいますが、じゃがいもは丸ごと40分蒸しても4分の3の量のビタミンCが残ります。」
(出典:「花図鑑 野菜+果物」 発行:草土出版)
ビタミン豊富な野菜はカラフルなものが多い中で、あの黄白色にビタミンCが詰まっているなんて、想像つかないですね。
糖分
じゃがいもには、私たちの体のエネルギーの元、糖分が豊富です。
あの甘みと舌にからみつく食感は糖分のなせる技。
じゃがいもの糖分は0〜2度の環境で長期間保存することで、デンプンの糖化がすすみ、糖度が高まって甘味が増します。
同じじゃがいもでも、新じゃがはさっぱりとした味わい、寝かせたじゃがいもは甘くしっかりした食感、まるで別物かのような楽しみ方ができます。
カリウム
カリウムは塩分を水分と一緒に尿として排出してくれます。
私たちの体になくてはならないミネラルです。
「カリウムは細胞内液中の主要な陽イオンである。浸透圧維持のほか、神経刺激の伝達や筋肉の収縮など生命維持にとって重要な役割を持っている。カリウムはナトリウムの排泄を促進することから、カリウム欠乏は血圧上昇をもたらす。」
(出典:「わかりやすい栄養学」 発行:ヌーヴェルヒロカワ)
カリウムは熱を加えても壊れないといわれています。塩分が気になるしっかりした味付けのお肉料理やピザの付け合わせにはもってこいですね。
カルシウム、リン、マグネシウム
骨や歯の成分となるカルシウム、リン、マグネシウムがバランスよく含まれています。
これらは日本人に不足しがちなミネラルと言われています。
じゃがいもは少しカルシウムの量を増やして摂ることで、さらに体のバランスが整うので、チーズや牛乳を使用したメニューだとより効果的です。
鉄
貧血予防として広く知られている鉄。
鉄分といえばレバーを思い描く方も少なくないのではないしょうか?
レバーは吸収されやすいヘム鉄に分類され、ひじきやじゃがいもの植物性鉄分は非ヘム鉄と呼ばれています。
非ヘム鉄を体に吸収させるのには、お肉のタンパク質やビタミンCと一緒にとると効果的といわれています。
鉄とビタミンCをあわせ持つじゃがいもは、栄養面でもお肉の最強の付け合わせとして活躍してくれそうです。
パワフルなだけじゃない、意外とオールマイティーなじゃがいもの栄養、いかがでしたでしょうか?
他にも、エネルギー代謝を促進してくれるビタミンB群や、便秘解消に役立つ食物繊維、造血作用があり、成長をうながし、妊娠中の方や胎児にも必要な葉酸などが含まれています。
用途別!最適な調理法
甘すぎない淡白な甘味が特徴のじゃがいもは、どんな調理にも合いやすいレシピの宝庫。
品種によって使い道を変えたいくらい、味や食感にそれぞれの特色があります。
調理前は必ず下処理(よく洗って、ソラニンがあったら取り除く)を忘れずに。
美味しさを追求したい。【基本の茹でかた(中くらいの大きさのじゃがいも)】
茹で方
大きな鍋にじゃがいもを並べます。ひたひたになるくらいの水をいれ、塩をふり入れ蓋をして中弱火にかけます。
ゆで汁が沸騰したら弱火にして、ポコポコと沸騰させたまま15〜20分。
竹串がスッと入ったらお湯から引き上げてザルの上で水気を飛ばします。
じゃがいもの糖分はゆっくりと加熱することで糖度が増し、じゃがいもの甘味を最大限に引きだします。
早く仕上げたい場合は沸騰するまでは強火でも大丈夫です。
皮のむき方
皮をむいて調理する場合、熱い内にむきます。熱いので、粗熱がとれたらキッチンペーパーやラップで皮をつまみながらむいていきます。
便利で簡単なむきかたもあります。
皮を一周するように切れ目をいれて茹でたじゃがいもを、氷水につけてからむきます。
この場合仕上がりが少し水っぽくなります。
とにかく急いでいる。【レンジ調理】
じゃがいもを好みの大きさに切ります。
耐熱容器に少しの水と塩を入れ、ラップをしてレンジ600Wで2〜3分チンします。
火が通ったら、放置せず、ラップをはずして水気を飛ばします。
使用する容器とレンジの種類によって加熱時間は変わります。
初めてのチャレンジのときは時間を短めにしてチェックしてください。やり過ぎると水分が飛びすぎてスカスカになります。
栄養をとにかくとりたい。【蒸すorオーブン】
蒸し器にじゃがいもをセットして強火のまま20〜30分蒸します。
竹串をさしてスーッと通れば出来上がりです。
じゃがいもの下にクッキングシートを敷くと片付けが楽チンです。キャベツなどの野菜を敷くと優しい香りがあわさった一品となります。
蒸し器のお湯がなくならないよう注意が必要です。
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まとめ
じゃがいものイメージ「ボリュームがある」は満腹指数の高さがなせる技。
ダイエットの敵かと思っていたデンプンには実は効能があって、血糖値の上昇や消化がゆっくりなので腹もちよいのに太りにくく作用します。
整腸作用、脂肪吸収を防止する作用も期待できて、まさにダイエットで活用したい食材の一つですね。
ビタミンCが豊富で加熱しても壊れにくいという特徴と、美肌効果、免疫力アップが期待できる効能は大人にも子どもにもぴったりなパワー&ヘルシーな存在といえます。
じゃがいもの秘めたチカラを食卓でおいしく楽しんで、みなさんの元気な毎日に役立てていただけたらと思います。
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