小松菜

小松菜の効果効能とおいしい食べ方

小松菜の効果効能とおいしい食べ方

価格変動の激しい葉物野菜ですが、それでも日常的に摂取したい葉物が小松菜。

江戸幕府8代将軍吉宗に、現在の東京都江戸川区の小松川地域で盛んに栽培されていた、ある野菜が献上されます。

たいそう将軍はお気に召されたようで「小松川の菜っ葉」だから小松菜。

今回はそんな歴史のある小松菜の栄養素や効果効能、有効な保存方法や調理時のポイントまでご紹介します。

小松菜の栄養素と効果効能

栄養素を列挙してみましょう。

β-カロテン(ビタミンA) 3100μg
ビタミンC 39mg
カリウム 500mg
カルシウム 170mg
2.8mg
葉酸 110μg

引用:五訂増補日本食品標準成分表 [第2章]

いずれも、生の小松菜100gあたりの数値です。群を抜いているのはβ-カロテンとカルシウムでしょうか。

β-カロテン

ビタミンAにも変換されるβ-カロテンには強い抗酸化作用があります。酸化つまり「サビる」という現象に対抗・抵抗する栄養素。

ビタミンAは皮膚や粘膜の主成分となります。お肌に良いことは当然ですが、特に鼻粘膜に異常があると免疫力も落ちてしまいがちです。

女性に限らず、性別を超えて積極的に摂取したい栄養素です。溶脂性の物質ですので、バターソテーなど方法で、調理上のロスを低減することができます。

カルシウム

そしてもう一つの特筆はカルシウムです。

単純な比較ですが、標準的な牛乳100gで110mg。多種多様な葉物野菜でもトップクラスの含有量です。

カルシウムはキノコ類に含まれるビタミンDと一緒に摂取すると効率よく取り込むことができます。今夜のおかずは、小松菜とキノコのバターソテーなんか、いかがですか?

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小松菜の茎と葉ではどちらが栄養素豊富?

小松菜の原種は、中国野菜の「茎立菜」”くきたちな”と読みますが、ここは漢字通り。

茎が隆々と立ち上がり、上端に控えめな葉。全体のバランスが良く淡麗な容姿です。

先述で、小松菜にはカルシウムが豊富ですと申しましたが、この隆々な茎を細胞レベルで構成しているのがカルシウム。

人間の体はカルシウムで骨の強度を維持しますが、植物は骨を持ちません。

では、どこに持つのか。それは細胞の壁。植物は骨格を持たない分、その細胞や細胞壁に自らを支える強度を含んで構造を保ちます。

よって茎にはカルシウムが豊富に含まれます。

一方の、慎ましやかな葉ですが、こちらは自らが成長するための光合成や、水分の蒸散を担います。

深い緑は見た目にも美しいのですが、光合成によって二酸化炭素や水から、自らの生育に必要な糖やミネラルを自前で生産する、葉緑素が豊富です。

葉緑素、つまり化学上ではクロロフィル。ご存知の方も多いかと思いますが、人間が体内毒素を外部に排出する(デトックス)作用にクロロフィルは不可欠なのです。

デトックスとは詰まるところ引き算。

いくら良質な栄養を摂取したところで、有害無益な物質がしっかり排出できていないと結果的に栄養摂取の効果は、希釈されてしまいます。

人体で栄養吸収の大半を担うのが、小腸の絨毛(じゅうもう)という器官。

非常に細かい毛のような突起が無数に存在しますが、有害物質もこの突起の隙間に溜まってしまいます。

この隙間に入りこんで有害物質をキレイに排出してくれるのがクロロフィルです。

食物繊維にも同等の効果があるようですが、食物繊維は大きすぎて絨毛の表面だけしか掃除できません。

食物繊維より小さなクロロフィルは絨毛の僅かな隙間にも入り混めるので、デトックス効果は大きくなるという寸法です。

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小松菜は鉄分豊富?ほうれん草との比較

100g中の主だった含有栄養素を比較してみましょう。数値左がほうれん草。右が小松菜の値です。

成分 ほうれん草 小松菜 単位
カリウム 690 500 mg
カルシウム 49 170 mg
2.0 2.8 mg
マグネシウム 69 12 mg
葉酸 210 110 μg

引用・特記:五訂増補日本食品標準成分表 [第2章]

一見、今回取り上げた小松菜は総合的に栄養素が劣っているようにも見えます。ただし、この値は、それぞれ標準的なものを「生」の状態で分析した値です。

ほうれん草の独特なエグ味、ニガ味が嫌い、という方はいらっしゃいませんか?かく言う私もそうなのですが、クセが強いですよね。

このクセの成分はシュウ酸。漢字では蓚酸。独特な風味が残る筈です。

また、シュウ酸とカルシウムが結合したものが、結石。シュウ酸は尿管結石の原材料ということになります。過剰な摂取は控えるべきです。

このシュウ酸ですが、水溶性の物質です。だから「茹でる」が基本となり、シュウ酸を除去する最も簡単で有効な調理法となります。

となると、「生」の状態で計測した値というのは茹で方、茹で時間によっては、信ぴょう性が薄れてしまいます。その点、小松菜はいわゆる「アク」が少ない。ほとんどないとしても過言ではありません。

結果的により生に近い状態で食すことができるので、調理上の栄養素ロスが少ない、ということになります。「生」で食することのできる小松菜の実力が露見しました。

小松菜は妊婦さんに優しい?

近年、厚生労働省が摂取を推奨し、母子手帳にも記載されている「葉酸」

葉酸の効用は徐々に認知され始めていますが、昨今、この重要性が説かれています。

ずばり、細胞分裂の促進と造血作用(特に赤血球)。もともと卵子だった一つの細胞が、種々の器官や臓器に分裂を繰り返し胎児、幼児へと成長しますが、この細胞分裂に欠かせない栄養素が葉酸です。

不足すると、神経管閉塞障害を発症し、脳や脊椎の発育に支障をきたして、とても悲しいですが死産に至るという研究報告もあります(※2)。

またビタミンB12と共に赤血球の生産に寄与します。

貧血の原因は鉄分不足とは限りません。適量の葉酸を摂取しましょう。

厚生労働省の一日当たり摂取上限量は、20代女性900μg、30代女性1000μg。推奨量は非妊娠時240μg、妊娠時480μgとあります。

一つ注意していただきたいのは、サプリメントの場合です。商品表示を確認して含有量を認識して摂取しましょう。過剰摂取は発熱、かゆみ、などの過敏障害や呼吸障害などにつながります。

何事も、バランスが大切です。

※2:神経管閉塞障害の原因は、他にも遺伝、肥満、喫煙、放射線の過剰暴露等があり、単一の原因ではありません。

スムージーに人気?

小松菜の効果効能から冷凍保存・解凍、効果的な食べ方まで

“鉄分豊富?ほうれん草との比較” の項でも述べましたが、小松菜のシュウ酸含有量がほうれん草よりも格段に少なく、生や生に近い状態で、多量の有益な栄養素が簡単に摂取できます。

ほうれん草だと、一度茹でる必要がありますから。

すると、水溶性のシュウ酸を巧く除去できますが、他の有益な水溶性の栄養素も流出してしまうことになります。そこでお奨めは近年脚光を浴びている、スムージー。

リンゴ、バナナ、ハチミツ、などが、一般的ですね。レモンで適度な酸味とビタミンCを補完すると、理想的です。

今回は小松菜を主題材にしていますが、リンゴやレモンの皮にも、飛び切りの栄養素が大量に含まれています。十分に皮を洗うか、ごく薄く皮を剥いで、自然から授かった「健康と美容」を非加熱で体内に十分取り入れましょう。

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まとめ

小松菜は江戸時代から、日本人の健康を支え続けてきました。近年の研究結果により、更に注目度は高まることでしょう。

植生としても、さほど土壌を選ばず、スクスクと生育する姿に、強い生命力を感じます。健康増進に、美容に、母子の絆に、そして毎日のあなたの笑顔に。

適切な量を、適切な調理方法で、美味しく召し上がって、皆様により良い明日が訪れることを祈念します。

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