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人参の栄養と効果効能、加熱するとどうなる?

人参の栄養と効果効能、加熱するとどうなる?

体に良いイメージが強い人参ですが「小さければ食べられるけど、大きいのは苦手」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな個性を強くもつ人参は、人参だからこそ発揮してくれる独特の魅力をたっぷりと持ち合わせています。

知らなきゃもったいない優秀野菜としての栄養と効果、加熱での変化などをご紹介します。

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人参(にんじん)の効果効能

人参の効果効能

人参の栄養。最大の特徴は、βカロチンです。

このβカロチンを豊富に含む野菜の総称が「緑黄色野菜」。

緑黄色野菜の中でも人参はとても優秀で100gあたりに含まれるβカロチンの量は1位「しそ」2位「モロヘイヤ」に次いでなんと第3位。

身近な野菜の中では断トツのβカロチンの宝庫といえます。

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βカロチン

肌に良い?美容効果も

お肌に良いといえば、ビタミンCやコラーゲンというイメージが強いのですが、実は人参に含まれるβカロチンはお肌にとってなくてはならない存在のひとつです。

βカロチンの高い抗酸化作用は美肌への効果が期待されます。

βカロチンがもつ抗酸化作用の特徴のひとつとして、紫外線による活性酸素の消去があげられます。

紫外線はさまざまな肌トラブルを引き起こす原因と言われています。

肌を乾燥させ肌荒れの原因となったり、体内の活性酸素を増やすので肌の老化を進めてしまう光老化、皮膚の免疫力を低下させシミやシワの原因となります。

βカロチンはカロテノイドという色素のひとつです。

カロテノイドは数多く存在しますが、共通する特徴として活性酸素を消去してくれる高い抗酸化作用があげられます。

私たちが人参を体に取りいれると、人参に豊富に含まれているβカロチンは体内でビタミンAに変換されます。

もともと栄養素としてビタミンAが含まれているのではなく、体内でビタミンAに変わるタイプをプロビタミンAと呼びます。

体に取り入れたβカロチンは全てがビタミンAに変換されるのではなく、体が必要な分だけビタミンAに変換されます。

人参に含まれるβカロチンは、体内で必要な分をビタミンAとして変換され、免疫機能、目の健康の維持、細胞情報伝達などビタミンAとしての効果を発揮し、βカロチン本来の抗酸化作用も発揮します。

βカロチンの効能は、からだ全体の老化現象を食い止めることと、加齢による目の衰えのひとつ「夜盲症」の予防と改善、皮膚や粘膜の健康維持と免疫を増強する働きが期待できます。

参照:JSA(日本抗酸化学会)
日本食品機能研究会:食品の三次機能(体調調節)を解明
Database of Grants-in-Aid for Scientific ResearchKAKEN
 

ビタミンA

ビタミンAとは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつで、目の健康維持や、皮膚を正常に保つ働きがあります。多く摂りすぎると肝臓に蓄積し、不調を起こす原因になります。

引用元:ビタミンA | 成分情報 | わかさの秘密

ビタミンAは、私たちの体の細胞の成長と分化に関わっています。

目には見えない血液内だけではなく、いつも目にしている私たちの肌の一番外側の表皮の細胞の健康維持を助けてくれます。

ビタミンAは皮膚細胞の働きを正常化し、潤いを保ってくれていますので、不足すると皮膚の乾燥や角質化を起こしやすくなります。

この細胞の働きを助けるビタミンAの作用はお肌の免疫力アップにもつながります。

免疫力ってお肌とどんな関係があるのかピンとこないという方もいるのではないでしょうか?

肌の免疫力を司るのは表皮の中にある「ランゲルハンス細胞」です。

体の外側から肌にダメージを与える乾燥、紫外線、異物を察知して肌を守る働きをします。

肌の免疫力が低下すると、免疫機能が発揮できないため、吹き出物、シミ、シワなど肌のトラブルが起きやすくなるといわれています。

ビタミンAはこのランゲルハンス細胞の正常化にも働きかけ美しい肌の維持を支えています。

(参考文献:「食べ物と健康1・2」/編・著 知地 )

食物繊維

人参は100g中約3gと意外と食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれています。

水溶性食物繊維は粘りと吸着性が特徴です。

胃や腸で消化される過程で粘りのある状態となり、胃腸内をゆっくりと進みます。

この動きによってお腹がすきにくくなることで食べ過ぎの防止、小腸での栄養吸収をゆっくりにして血糖値の上昇を防ぐ効果、コレステロールなどの有害物質を吸着してお通じと一緒に体外に排出するなどの働きをします。

不溶性食物繊維は保水性が特徴です。

胃や腸で水分を含んで大きくなり、満腹感を感じたり、腸を刺激して蠕動運動を盛んにし、便の量をふやして便通を促進します。

不溶性食物繊維が含まれる食品は、穀類、野菜、シリアルなどのよく噛む必要があるものが多いので、食べ過ぎの防止にも役立ちます。

便秘の解消は肌荒れや吹き出物、くすみなどのお肌のトラブルにも効果的なだけではなく、腸内環境を整えることで免疫力や栄養の吸収につながります。

お肌のトラブルは、夏は紫外線、冬は乾燥など毎日のケアが欠かせませんね。

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人参は皮ごと食べるといいって本当?

「日本食品標準成分表2010」で「にんじん」を見ると、皮つき(生、ゆで)、皮むき(生、ゆで)と項目をわけて栄養表示されています。

人参は皮がある方がない方よりも栄養値が高いです。

驚くほどの差ではないけど、皮ごと食べる方が栄養をいただけるというのは本当です。

とはいえ、大きく差がないのであれば、できれば皮をむきたいという方もいらっしゃるのでは?

皮ごと食べるとなると、農薬が心配という声も少なくないのではないでしょうか。

無農薬や有機栽培の人参なら安心ですが、価格的にも市場的にも手に入りにくいのが現実。

にんじんの皮はとても薄く、収穫後の洗浄でほとんど皮がとれた状態で販売されています。

産地の直売店などでは土つきの状態で販売していることもありますが、土や農薬をとるために皮を洗う時は実を傷つけないようやわらかいスポンジなどで流水をあてながら洗うのがおすすめです。

皮をむくときは、カロチンが皮付近に多いといわれていますので、薄くむくようにしましょう。

一般的には人参の皮は薄いので、違和感なく食べやすいと言われています。

(参考文献:新ビジュアル食品成分表【新訂版】 編著:新しい食生活を考える会 ) 

人参は妊婦さんには良くない?

妊娠中は人参食べて大丈夫なの?と不安な方もいるかと思います。

というのも、厚生労働省が、妊娠初期の方が健康食品によるビタミンAを過剰摂取することの危険性を通知しているからです。

「妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性はビタミンAの過剰摂取にならないように注意してください」

(参照:厚生労働省 平成7年12月26日付健医健第117号通知)
一般の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業

ビタミンAは細胞、臓器、上皮などの分化に関わるので、妊娠初期の方が継続的に過剰摂取することで胎児への影響が出る可能性が高まるといわれています。

ビタミンAには2種類あって、もともとビタミンAである動物性のものと食べてから体内でビタミンAに変わる植物性のプロビタミンAがあります。

人参に含まれるβカロチンは、後者のプロビタミンAです。

人参をたくさん食べても必要な分が体内でビタミンAに変換されますが、余った分は脂肪に蓄積されて、必要ない分は排泄されます。

必要な分だけがビタミンAとなる人参のβカロチンのようなプロビタミンAの場合は、過剰摂取の心配がないので問題なくとることができます。

妊婦さんは動物性食品のビタミンAやサプリメントでの摂取は気をつける必要がありますが、厚生労働省では植物性食品のβカロチンの摂取は推奨されています。

お薬を気軽に飲みにくい妊婦さんにとって、免疫力を高めたり、抗酸化作用などの人参の効能は積極的にとりたい栄養ですね。

人参は加熱するとどうなる?

人参は、生でも加熱しても美味しく楽しめる野菜ですが、その違いはまるで別の野菜のよう。

ボリボリとした歯応えはなめらかに、すっきりとした香りは甘くなり加熱による変化には驚いてしまいます。

生の人参と茹でた人参を比較すると、加熱に弱いビタミンCは半分になってしまいますが、カロリー、糖質、βカロチンなど人参の栄養は全体的にはさほど大きな変化はありません。

人参は加熱による栄養の変化が少ない野菜ですが、皮つき人参と皮をむいた人参を茹でて栄養値を比較すると、全体的に皮つきのほうが栄養素が多く表記されています。

その理由は皮をむいたり細かく切ることで茹でる際に栄養が水に溶け出てしまうからです。

スープなどゆで汁ごといただく調理なら溶け出た栄養も丸ごととることができますが、茹でる調理の際には、洗った人参を丸ごと茹でることで栄養の流出を防ぐことができます。

より効率良く栄養をとりたいときには、蒸すか炒める方法がおすすめです。

人参に限らず、人の体が野菜の栄養を効率良く吸収するには温野菜がよいと言われています。

また、人参を加熱すると甘くなったように感じますが、これは甘味のもとの糖度が増えているわけではありません。

加熱することで細胞が壊れ、人参のエキスがにじみ出るようになったことや水分が減った分、人参のエキスがギュッと詰まって舌が甘味を感じやすくなったことが理由と言われています。

参照:論文「野菜の硬さと最適加熱時間の予測」 香西みどり お茶の水大学

人参は加熱することでやわらかくなるので体が消化吸収しやすくなり、βカロチンを効率良くとるポイントは油と一緒に加熱した人参を食べること。

加熱しても栄養値が変わりにくいのでいろいろなお料理で日頃から気軽に栄養をとれそうですね。

参照:食品成分データベース

人参の栄養成分

食品成分表(七訂日本食品標準成分表) 生の皮つき人参100g                                         

エネルギー  39kcal
水分  89.1g
タンパク質  0.7g
脂質  0.2g
炭水化物  9.3g
食物繊維  2.8g
カロテン  8600μg
ビタミンE  0.4mg
ビタミンK  17μg
ビタミンB1  0.07mg
ビタミンB2  0.06mg
葉酸  21μg
ビタミンC  6mg
カリウム  300mg
カルシウム  28mg
マグネシウム  10mg
リン  26mg
鉄  0.2mg

人参100gというと目安としては、中くらいの人参半分くらいです。

成人女子のβカロチンの1日の摂取推奨量が3600μgなので、人参42gで1日に必要な分がとれます。

人参は根菜の1種ですが、じゃがいもやごぼうよりカロリーは低めで、その分水分が多くなっています。

注目すべきは、ビタミンとミネラルの種類の多さ。

体のコンディションを整えてくれるビタミン、ミネラルは幅広く食品からとりたいといわれています。

前述したビタミンAにくわえてビタミンC、ビタミンEはビタミンACE(エース)と呼ばれている名コンビです。

ビタミンACEは抗酸化作用が特に高い栄養素として、老化防止や健康維持の効果が期待されます。

3種類同時に摂取することで相乗効果が期待されるといわれていますが、人参には3種類とも含まれています。

葉酸は赤血球の形成を助ける栄養素。また、胎児の正常な発育を助ける栄養素として妊婦さんや産後の方には重要な栄養素といわれています。

参考文献:「北海道フードマイスター 第3章 食品の成分と栄養」 編集、発行:札幌商工会議所

いつも店頭で見慣れているから季節感を感じにくい人参ですが、旬があります。

一般的に旬の野菜は栄養素や味わいがさらに高くなるといわれています。人参は日本各地で生産されているので、旬の時期は生産地によって違います。

生産量が多い順番に北海道産は7〜11月、千葉県産は11〜3月と6月、徳島県産は3〜6月が旬です。

参考文献
「新ビジュアル食品成分表」【新訂版】 編著:新しい食生活を考える会 )
「北海道フードマイスター」 編集、発行:札幌商工会議所)
参照:
千葉県ホームページ 
農林水産省パンフレット「徳島の野菜を食べましょう」

まとめ

体に良いイメージの期待を裏切らない人参の実力。

何気なく使っていた人参は、風邪を引きやすい冬や夏バテ前の免疫力に旬を迎えてくれる私たちの食卓には欠かせない存在です。

おいしく美しい人参を毎日の元気に取り入れていただけたらと思います。

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