大根を保存していたらシワシワに…等、大根は保存方法についてのお悩みや疑問が多い野菜です。
大根の保存方法は冷凍・冷蔵・常温の3つに加え、乾燥、畑に埋めるという方法があります。
それぞれ保存期間の違いや特徴があり、様々な調理方法を楽しむことができます。
1つ1つ見ていきましょう。
大根の保存方法・期間
大根は冷凍、冷蔵、常温・乾燥などを使い分ければムダなく保存することができます。
大根に葉がついてる場合は、全ての保存方法においてすぐに葉を切り落します。
葉が大根の栄養を吸収してしまうのと、葉から乾燥が進むのを防ぐ為です。
それぞれの保存方法や保存期間を詳しくご紹介します。
冷凍保存・期間
①大根の皮を厚め(約3mm)にむく
②調理に使うサイズにカットする
③カットしたものを一度に使う分ずつラップで包む。
煮物用の大きな輪切りは1個ずつラップで包む
④③をジップロックなどの保存袋に平らに入れて冷凍庫へ。
【冷凍大根の保存期間】
1ヵ月
①大根の皮を厚め(約3mm)にむく
大根の皮は冷凍に不向きです。
大根の皮付近は、冷凍すると筋張って大根臭さを感じやすくなります。
皮は冷凍せずに生のまま調理するのがオススメです。
炒め物やお味噌汁で食感や香りの強さを楽しめます。
②調理に使うサイズにカットする
切って小分けします。
あらかじめ調理方法に合わせて切ってから冷凍します。
・炒め物…棒切り
・お味噌汁…イチョウ切り
・煮物…輪切り。味シミ用の隠し包丁の必要はありません。
・大根おろし…おろして軽く水気を絞ってジップロックで保存。
③カットしたものを一度に使う分ずつラップで包む。
切って小分けした大根をラップするときは空気に触れないようにピッチリと包みます。
空気が触れると酸化、乾燥の原因となり、劣化しやすくなります。
厚みがあると冷凍されるまで時間がかかってしまいます。
平たく薄い状態でラップします。
④③をジップロックなどの保存袋に平らに入れて冷凍庫へ。
品質保持の為に保存袋は必須アイテム。
保存袋に入れた後も極力空気を抜きます。
大根を美味しく冷凍するコツは、大根が冷凍されるまでの時間を短くすることです。
あらかじめ冷やしておいた金属製トレーにのせて、急速冷凍機能があれば活用しましょう。
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冷蔵保存・期間
①大根を軽く湿らせた新聞紙で包んでポリ袋に入れる。
もしくは全体をピッチリとラップする。
②立てた状態で冷蔵室もしくは野菜室へ。
【保存期間】
丸ごと…1週間から2週間
切ったもの…4〜5日
①大根を軽く湿らせた新聞紙で包んでポリ袋に入れる。
水分が失われるのを防ぎます。
収穫した後も大根の細胞は生きています。
新聞紙でくるむと光が当たらずに土中のような育った環境に近づけることが出来ます。
乾燥した新聞紙だと大根の水分を吸い上げてしまうので、軽く湿らせた新聞紙で大根を丸ごと包んで、買い物袋や大きめのポリ袋のなかに入れます。
新聞紙でなくとも、ラップでしっかりと空気を抜いて包むことで数日間の保存が可能です。
切ったものは、特に切り口をしっかりラップして全体を包みます。
湿らせたキッチンペーパーを切り口に当ててラップするとみずみずしさが長持ちします。
②立てた状態で冷蔵室もしくは野菜室へ。
大根は縦に育つ野菜なので、横にしてしまうと余分なエネルギーを使ってしまいます。
立てて保存することでしおれにくくなります。
牛乳パックやペットボトルを半分に切ったものに入れると安定して便利です。
大根の貯蔵温度は約0〜1℃と冷蔵庫内の温度は適しています。
常温保存・期間
ここでは常温保存と乾燥保存を紹介します。
常温保存
・丸ごと大根のみ。
・葉付きの場合は葉の付け根から1cmのところで切り落します。
・常温保存が適している環境は15℃以下で風通しの良い冷暗所
・新聞紙で包み、立てて置きます。
【期間】
気温によって保存期間が変わります。
・夏…3日以内
・春、秋…1週間
・冬…1〜2週間
収穫後の大根は気温が16℃以上になると変色などの生理障害が起こりやすくなります。
スーパーなどの売り場に並ぶまでの環境や流通上の温度差によっても影響を受けやすい野菜です。
夏場の常温保存は難しく、涼しい気候の地域以外では不向きと言われています。
15℃以下の環境では常温保存がきくので、水分蒸発を防ぐために新聞紙で包み、たまに状態を確認しましょう。
乾燥保存
大根を保存する上でのお悩みは「スペースをとる」「日持ちしない」の2つです。
これらを解決する最も効果的な保存方法は大根を「干す」です。
乾燥保存は意外と簡単にでき、長期の保存が可能となります。
①大根の皮をむいて薄くカットする。
②キッチンペーパー等で大根の水気をふく。
③大根をザルか干し網(ネット)に重ならないように並べる。
④日中は天日干しする。
朝露や雨などを避けたいので、夜は室内にしまう。
⑤乾くまで3〜5日
⑥乾燥剤を入れた密封容器で保存する。
【保存期限】
乾燥状態が良く、乾燥剤と一緒に保存すれば約一年間保存できます。
①大根の皮をむいて薄くカットする。
皮付近は変色しやすいので、皮を厚めにむきます。
大根の厚さは5mmくらいが作りやすいです。
厚みがありすぎると水分が蒸発するまで時間がかかり、湿度が高い季節はカビてしまう恐れもあります。
切り方は輪切り、いちょう切りなどお好みの使いやすい形で細切りにしたら切り干し大根になります。
②キッチンペーパー等で大根の水気をふく。
カット後に水気をふくと水分が飛びやすくなります。
③大根をザルか干し網(ネット)に重ならないように並べる。
干し網を使用すると風に飛ばされる心配や虫がつく恐れがなくて安心です。
この場合、重みに耐えられる、干し網をかける場所の確保が必要になります。
④日中は天日干しする。
干し大根作りは、昼も夜も「風通しが良い」ことが大切です。
室内で風通しが無い場合は扇風機の風を当てると便利です。
日当りが良ければ、室内の窓辺でも干す事ができます。
晴天が続くときに合わせてチャレンジしてみましょう。
⑤乾くまで3〜5日
気温や湿度によって完成までの時間は前後します。
しっかり水分が飛んでカラカラになるまで干します。
大根に含まれるポリフェノールなどの成分が空気に触れることで変色することがありますが、食べることに差し支えはありません。
干し大根はベランダや軒下、物干竿などで少量でも作ることができます。
大根は丸ごとだと大きい野菜ですが、全体の約95%が水分です。
日光に当てて水分を蒸発させることで驚くほど小さくなります。
干し大根は干しているときに、沢庵のような香りがします。
大根そのものや気温によって香りの強さは変化します。
香りが気になるという方は、室内で干すときは換気扇の近くに干すスペースを用意すると安心です。
畑の土に埋めて保存
冬から春先にかけて大根を畑の土に埋めて保存することができます。
穴掘りという大仕事が必要ですが、収穫した大量の大根の長期保存が可能になります。
①畑に深さ70〜80cmの穴を掘ります。
②大根の葉があれば、葉の茎の根元で切り落します。
③大根の頭が下になるように斜めの状態で穴に入れます。
④大根同士がくっつかないよう少し隙間を空けて並べます。
⑤大根を上下で重ねる場合は大根に土をかけてから次の段を並べます。
⑥埋めた大根にこんもりと土をかけます。
⑦目印をたてます。
寒さ対策には藁、水対策にはブルーシート等を使用します。
品種によって差はありますが、大根の長期貯蔵に適した温度は0〜5℃と言われています。
水はけの良い土の中は収穫された大根にとって最も最適な環境です。
土中は温度が一定で、通気性が良いので、大根がすっぽり入るように深い穴を掘って保存します。
冷凍保存後の解凍のやり方
冷凍大根は解凍する必要がありません。
凍ったまま「煮る」「炒める」などの加熱調理に使用します。
解凍する時間を気にせず、下茹での手間なく調理に取りかかれるのが冷凍大根の長所とも言えます。
冷凍した大根は細胞組織が破壊されています。
凍っているときは硬そうでしっかりしていても、自然解凍すると水分が出てフニャフニャの状態になります。
ただし、大根おろしはすでに細胞が破壊されているので、自然解凍しても変化なく活用することができます。
冷凍大根はレンジ加熱とサラダなどの生食はNGです。
レンジでの加熱調理は生の大根でもフニャっとなるので、冷凍大根だとブヨブヨに近くなってしまいます。
冷凍大根は食感を活かしたサラダなどの生食には残念ながら不向きです。
それぞれの保存方法の特徴
冷凍保存
冷凍大根のメリットは栄養の損失が少ないことです。
大根は、生の状態では切ってから酸化がすすみ、時間を置くほどに味とともに栄養素も劣化がすすみます。
すぐに使い切れない分の大根は早目に冷凍する方が栄養が高いまま保存することができます。
デメリットは先述しましたが、食感が柔らかくなることです。
味的には生の大根より香りが少し強く舌に感じられるので、大きいサイズの煮物の場合はしっかりと煮込むことで気になりにくくなります。
大根の栄養について詳しくはこちらへ
⇒ 大根に栄養ない?効果的な食べ方は生。加熱すると?
冷蔵保存
最も身近な保存方法である冷蔵の場合、保存方法の良し悪しで大根の状態は大きく変わります。
冷蔵庫で大根を保存するうえで心配なトラブルは、乾燥してしおれてフニャフニャ、酸化して黒ずむなど。
空調による乾燥と酸化は食感や栄養の劣化を招きます。
しっかり密封して保存することでそれらを防ぐことができます。
常温保存
温度、湿度などの環境によって状態は変わりますが、水分の蒸発と16℃以上の気温を避けて保存できれば食感や栄養もそのままにみずみずしい生の大根を楽しむことが出来ます。
乾燥保存
天日に干した大根は栄養価がグッと高くなります。
生の大根の水分量は約95%ですが、切り干し大根は約15%です。
水分が80%減った分、栄養素が変化します。
ビタミンCは減少しますが、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラルや食物繊維の割合がアップします。
食感は生の大根とは違い、コリコリとクラゲのような歯応えに変化します。
畑の土に埋めて保存
0〜2℃の状態で貯蔵された場合は、低温貯蔵により炭水化物が糖化して甘味が増す食味の変化が期待できます。
常温保存と同じく基本的には栄養、見た目は生の大根と変化はありません。
温度や湿度、日当りなどの保存環境が適さない場合は変色、病気などが起こる可能性はあります。
早期発見の為にもたまに確認しましょう。
大根は保存食としても活用できる?
冷凍保存でお味噌汁セットが便利
お味噌汁の具をひとまとめのセットにして冷凍しておくと時短となり便利です。
大根と人参のイチョウ切り、刻んだ油揚げ、わかめ等のお好みの具をラップに包んでジップロックで保存します。
熱しただし汁に入れてひと煮立ちさせれば、あとはお味噌を投入するだけ。
冷凍した大根、人参は柔らかいので煮込まずとも召し上がることができます。
乾燥大根は生でも大活躍
乾燥大根はサッと洗って汚れを落としてから水で戻して水気を絞ればサラダ等にそのまま活用できます。
食感と甘味が魅力です。
水で戻さず、ヨーグルトに一晩つけたり、麺つゆにつけたりと加熱せずとも様々な風味で楽しめます。
大量消費したい方におすすめ「冷凍大根おろし」
大根をおろすのが大変な方はフードプロセッサーがあれば、さらに便利です。
大根をおろし、水気を切ります。
水気を切るとだいぶカサが減るので保存スペースの確保がしやすくなります。
いざというとき冷凍大根おろしはおろす時間を時短でき重宝します。
大根おろしの栄養や風味は日持ちしないので、保存するなら冷蔵より冷凍がおすすめです。
そのまま焼き魚の付け合わせ、和え物、みぞれ鍋やみぞれ煮等に活用できます。
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まとめ
大根はレパートリーが幅広い人気野菜。
大きくてスペースをとる、意外と日持ちがしないなどの理由で敬遠されていた方も、ちょっとひと手間かけた保存方法で長く便利に楽しむことができます。
サラダ、おろし、煮物、汁もの、炒め物、漬物や干してなど、毎日の食卓に旬の大根の美味しさと栄養を活かしていただけたらと思います。
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