英国のロックバンド・ディープパープルに熱狂した男子も多いと思いますが、今回取り上げるのは、夏から秋にかけて食卓に欠かせない、畑のディープパープル:「ナス」。
ナス科の植物は、トマト・トウガラシ・ピーマンなど。根菜類にはジャガイモ。タバコもナス科。
なかなかクセのありそうな品目が並びますが、正しく食べて有効な栄養素を取り込みましょう。
今回はナスを健康な毎日に活用するポイントと注意点を軸に、栄養や効果効能、美味しい食べ方をご紹介します。
ナスの効果効用・効能など
整腸作用、美肌効果
ナスに含まれる食物繊維には、小腸・大腸のいわゆる「悪いモノ」をクリアにして腸内環境を整える効果があります。
悪いモノが滞在していては栄養豊富な食品を口にしても、腸がその栄養素を吸収できません。
より効率よく腸に仕事をさせるなら、腸内環境を整える必要があります。
また、お通じに悩む女性も積極的にナスの食物繊維を取り込み、腸内の悪いモノをドーンっ!と排出してください。
瑞々しいお肌は、瑞々しい腸内から始まります。
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抗酸化作用
ナスに含まれるポリフェノールは抗酸化物質で、体の酸化(「サビる」という現象)に抵抗してくれます。
ナスのポリフェノールをこまめに、そして継続的に摂取して高血圧・動脈硬化の発症制御に活用しましょう。
ここで「こまめに」と記したのには理由がありますが、過剰摂取は禁物です。
ナスが持つポリフェノールの一つ、クロロゲン酸を過剰に摂取すると便秘の原因になりうる、という報告があるためです。
目の疲れ、コレステロールの抗酸化に効く
ナスに含まれるナスニンはアントシアニン系統のポリフェノールで、目の疲れ、コレステロールの抗酸化に効きます。
ナスニンは皮や表皮近くに多量に含まれますが、加熱してもその80%程度が残存します。
深い紫は見た目にも鮮やかで食欲をそそるものです。
苦手な方も、取り入れてみてはいかがでしょうか。
ナスに含まれる栄養素
食物繊維
ナスを構成する殆どは水分と糖質ですが、栄養素で最も代表的なのが食物繊維です。
ナス100g中の食物繊維総量は2.2g。
水溶性食物繊維がわずか0.3gなのに対し、不溶性食物繊維は1.9gとなり、実に86%が流出しないという計算です。
ナスに含まれる栄養素には、水処理や加熱処理による「流失・損失が少ない栄養素」が多いのが特徴。
代表的なナスの料理と言えば、素揚げの煮びたし、麻婆ナスやナス田楽。
焼きナスにして、かつお節としょう油でいただくことも多いですね。
こうして見ると、淡白な味わいの「豆腐の代用品」とも言えます。
柔らかい食感で、味にもそれほど大きな主張がないので、応用しやすい食品と捉えることもできます。
ポリフェノール
ナスの皮には多種のポリフェノールが含まれており体内の抗酸化作用に寄与します。
「ナスの皮が苦手だ」という方もいますが、是非とも皮のポリフェノールを正しく摂ってください。
アルカロイド
少し厄介なのはナスに含まれるアルカロイド、つまり灰汁です。
ナスをカットしてそのまま空気に触れさせておくと黒っぽく変色する作用は、ナスに含まれる灰汁・アルカロイド反応です。
アルカロイドは上手く処理すれば問題はありません。こちらも後述します。
冷凍保存・解凍法について
ナスは生の状態から冷凍保存が可能ですが、冷凍前にカットしておくと手間が省けてよいです。
冷凍保存
切り方は半割りがベター
解凍後の用途は決まっていない時には、適当な大きさにカットしましょう。
取り敢えず半割りにしておいた方が、用途の選択肢が増えますね。
酢水へ浸ける
酢水に10~15分浸けると、変色をほぼ無くすことができます。
あらかじめ薄い酢水を作っておいて、切ったナスはできるだけ速やかに酢水へ浸けましょう。
灰汁抜き
その後、水に10分程度さらして灰汁抜き。
水気をしっかり拭いて保存袋に収めてから冷凍庫へ。
解凍法
自然解凍しても結構ですが、加熱に強い栄養素が多いのでそのまま調理しても問題ないと考えます。
保存袋で温め直し
焼きナスを作りすぎてしまった…。そんな時は焦る必要ありません。そのままジップロック等の保存袋に収めて冷凍しましょう。
温め直してお召し上がりください。十分お楽しみいただけます。
秋ナスは、嫁も食べたい
ナスの寿命
ナスはその淡白な食味に反して、寿命が長い作物と言えます。
夏に一通りの収穫を終えて「そろそろ実を着けなくなったな」と感じると、その葉や根を断ち落としてしまいます。
繁々と伸びた葉は2~3枚に、土中の根も主根を残して細い毛根はスコップや鍬で切ってしまいます。
それでも肥料と水と日光があれば、数か月後には大復活を遂げて、再び実を着けるので不思議。
この大復活の賜物が秋ナスです。
ナスは生存危機をおぼえますが、そこから立ち直るナスの生命力には本当に頭が下がります。
秋ナスの特徴
少しだけ、秋ナスの特徴をまとめておきましょう。
皮は比較的薄く、苦手な方も召し上がりやすくなります。
もちろんナスニンを含有します。
実はより締まった感じで棒状なものが多いので、その形状を活かした料理に向きます。種子も減りますね。
確かに、ナスやキュウリには体を冷やす効果もあると言い、女性や妊婦さんには敬遠されがちです。
イジワルな姑さんがお嫁さんに分け与えたくない程の美味しさですが、恐らく秋ナスには「種子が少ない」という特徴から転化した民間伝承かと推察されます。
本家カツオを超えた?「ナスのたたき」レシピ
※写真はイメージです。
実がしまった秋ナスで、特にご紹介したい一品が、「ナスのたたき」です。
●食材
ナス | 5~6本 |
ネギ | 2本 |
大葉 | 4~5枚 |
●かけ汁
おろし生姜汁 | 小さじ1 |
酢 | 大さじ2 |
しょう油 | 大さじ |
2.ネギと大葉の薬味類をみじん切りにして、ナスの上に彩りよくチラシます。
3.その上からかけ汁を静かに回しかけて、あっという間に完成です。
上の分量は、かけ汁も含めて目安です。
かけ汁にカツオだしを加えてもよいし、市販のポン酢もよく合います。
酸味増しにユズやスダチ、レモン、ライム等もよいと思います。
薬味にも制限はありませんので、ミョウガやニンニク、タマネギもどうぞ。
茹でてあるので灰汁抜きの手間もないし、皮が苦手な方もそれほど皮の歯触りも感じずに食べることができますよ。
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まとめ
灰汁の強いナスですが、それは害虫からわが身を護るための作用です。
有益な栄養素やポリフェノールも豊富なので、正しい調理法で、正し量を、正しいペースで、召し上がってください。
“秋ナスは嫁「にも」食わせろ”世に美人が多すぎて困ることはありません。
天高く美人増える秋に、是非ナスをご活用ください。
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