人参を長持ちさせる保存方法。期間は?

人参は長期保存できるというけれど、冷蔵庫でシワシワに、常温でカビたり溶けてしまうという保存におけるトラブルもよくある話。

人参の適切な保存場所、長持ちさせる具体的な方法、よくあるトラブルとその原因などを解説します。

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この記事を書いた人

北海道の十勝で調理と農家の仕事している主婦(調理師、野菜ソムリエ、北海道フードマイスター上級畜産編、メディカルハーブセラピスト)。

得意分野は身体にやさしい食生活ネタ。食材をシンプルに活かすのが大好きです。

冷蔵保存

人参を長持ちさせる保存方法。期間は?

人参の冷蔵保存法を2パターン、紹介します。

冷蔵庫での基本的な保存方法

  1. 袋に入った人参は袋から出す。
  2. 土付きは洗って土を落とす。
  3. 葉付きは根元で切り落す。
  4. 水気があればしっかり拭く
  5. 新聞紙で包む。
  6. ポリ袋に入れて軽く口を閉じる。
  7. 立てた状態で保存する。

人参の栄養と美味しさを摂りいれるのには、冷蔵庫の温度は最適ですが、光と乾燥に弱いので注意が必要です。

適切な保存方法をほどこせば、約3週間の長期の保存が可能です。

注意点4つ

  • 水気
  • 乾燥
  • 他の野菜の「エチレンガス」

これらを防ぐのが、人参を日持ちさせるコツです。基本の冷蔵保存の手順にそって、詳しく解説させていただきます。

①土付きは洗って土を落とす。

土の中に存在する菌などが冷蔵庫内の他の食品に悪影響を及ぼす可能性もあるので、冷蔵庫に入れる前には洗い落としておきましょう。

①葉付きは根元で切り落す。

私たちが食用としている、オレンジ色の人参は人参の根の部分です。

葉付きだと人参の根の栄養は葉の方向に上がってしまい、葉の部分から人参の水分が飛んで根が弱りやすくなります。

葉付きの場合はそのまま放置しないで早目に根元で切り落し、別々に保存します。

②水気があればしっかり拭く

「にんじんは水分があるとそこから傷んでしまうので、水分をふきとってからビニール袋などに入れ、冷蔵庫で保存しましょう。」
参照:野菜の扱いかた:農林水産省

購入時の袋にはいったまま冷蔵庫に入れてしまうと、外気との温度差で袋のなかで結露してしまいます。

スーパーの売り場ですでにビニールの中に水滴が入っていることも少なくありません。

完全に閉め切った袋のなかで余分な水気に触れ続けると、人参はその部分から溶けだしたり、カビが発生することもあります。

長期保存したい場合は、まず袋から出して水気を拭いて乾かしましょう。

土がついたまま冷蔵保存してしまうと、土が水気を呼んで人参が腐りやすくなります。

③新聞紙で包む。

人参を新聞紙で包むのは、余分な水分をとってくれる上に、光が当たるのを防いでくれるからです。

人参は光が当たると光合成して発芽が促進されてしまいます。

人参は温度や光の条件が揃って発芽が促進されると、頭部分にある丸い葉の切り口から葉が伸びてきたり、人参の皮の色が変色する場合があります。それを防ぐためには光が当たらない工夫が必要です。

新聞紙がない場合は、水分を吸収する役割のキッチンペーパーなどで人参を包んだ後に、光を通さない紙などで包むか黒いビニール袋に入れると代用できます。

④ポリ袋に入れて軽く口を閉じる。

人参を乾燥から守るため、新聞紙で包んだ後にポリ袋やジップロックにいれます。

人参をそのまま冷蔵庫にいれると、庫内の空調で乾燥し、すぐにしなびてしまいます。

また、袋に入れることでエチレンガスから守ることができます。人参はエチレンガスの影響を受けやすい野菜です。

トマト、メロン、長芋、リンゴ、アボカドなどエチレンガスの生成量が多い食材と一緒に保管する場合には一緒の袋に入れないよう気をつけましょう。

参照:Properties and Recommended Conditions for Storage of Fresh Fruits and Vegetables

⑤立てた状態で保存する。

人参は土の中で立った状態で縦の方向に成長します。

横にすると違う方向にエネルギーを使ってしまい、劣化の原因となります。

人参を保存するときは、立てて、もしくは斜めに立てかけて保存しましょう。

家庭用冷蔵庫では、人参が苦手な光や空調への対策が課題ですが、ひと手間かけた保存で課題をクリアできます。

人参の長期保存の最適温度は0度といわれています。冷蔵庫は約6度なので、品質維持に適している温度といえます。

人参を長期保存する際は、水滴がたまっていないか?凍っている部分はないか?たまに状態を確認しましょう。

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冷蔵庫の野菜室で簡単保存

  1. 人参の頭から1cm下をカット
  2. ジップロックにいれる
  3. 空気をできるだけ抜いて口を閉じる
  4. 野菜室で立てて保存
基本の保存方法はちょっと面倒くさい、スペースに余裕がないから新聞で包むのが難しいというかたにオススメです。

①人参の頭から1cm下をカットする。

人参の根の栄養は葉の方向にむかっていくので、葉の付け根の頭を切り落す方法です。

できれば、1本ずつキッチンペーパーや新聞で包むと乾燥と湿気から人参を守ってくれてより長持ちします。

②ジップロックにいれる。

ジップロックではなく、サランラップでも代用できますが、すき間から風が入って乾燥しないよう気をつけましょう。

人参の切り落した頭の周りの部分の活用

人参の切り落した頭の周りの部分はスープやオムライスなど細かく切って食べる料理に活用できますが、再生栽培をして葉を育てることもできます。

水をはった小皿につけて日当りのよいところに置いておくと数日で葉が伸びてきます。

人参の葉は、セリ科独特の香りがさわやかで、良い薬味として楽しめます。

「しなしな」「黒くなる」「しわしわ」「柔らかい」の時は?

人参を長持ちさせる保存方法。期間は?

人参は冷蔵庫で保存しても乾燥、凍結、人参自体の劣化、病気によって傷むことがあります。

しかし大抵の場合、人参は傷んだ部分を取り除けば、ほかの実の部分は食べられます。

症状別でその原因・対処法を解説します。

色の変化が少なく、「しなしな」「しわしわ」「柔らかい」の場合

人参が乾燥して劣化している状態です。

ふにゃっとしてはいますが、食べられます。

人参の皮は食べることができますが、乾燥が強いと皮の食感が歯触りに感じることもあります。気になる方は皮をむいて調理しましょう。

丸ごとの人参は、人参の頭を数時間水につけておくと水分をすって復活することがあります。

調理まで急がないなら試してみる価値はあります。

人参は固いけれど、皮の一部が「黒く変色」している場合

人参が風に当たった状態です。

乾燥して表面が乾いていますが、変色した部分を切りとれば、他の実の部分は食べられます。

みるみる黒くなる軟腐病

細菌が原因の病気で、高温多湿な時期に発生しやすく、ヌルヌルと溶けて臭いに異変が感じられるのが特徴です。

人参が軟腐病になると、始まりは小さくグジュっと溶けているようなところがあるのですが、買ってきたばかりなのに、みるみる表面が黒くなっていきます。

症状が出てきた箇所とそのまわりを取り除けば、食べることは可能です。

参照:軟腐病/住友化学園芸

色はキレイで固いけども、部分的にシワシワでやわらかい

冷蔵庫の中で部分的に凍結した状態です。

食べられますが、凍った部分の細胞が壊れてしまい食感が劣っています。

凍ってしまった箇所は自然解凍には不向きです。

食べる際には食感の変化を感じにくいよう、細かくカットしてスープや炒め物などに凍ったまま加熱しましょう。

冷凍保存

冷凍保存についてはこちらへ
プロ直伝!人参(にんじん)の冷凍保存3つの方法

常温保存

人参の状態にもよりますが、一般的には、温度0〜15度、通気がある環境であれば約2週間は保存できます。

買ってきた人参は袋から出し、土付きはそのまま新聞紙に包み、風通しがよい冷暗所で保存するのが最適です。

人参は常温でも長期保存がきく野菜です。

冷蔵庫の保存と基本は同じで、水気、光、乾燥は人参が傷む原因となります。

人参は、密封された袋の中では蒸れてとけてしまいます。

参照:野菜の扱いかた:農林水産省

ただし、常温保存が難しいのは「蒸し暑い季節」

人参には腐敗につながる糖質と水分が含まれているので、ちょっと目を離すと「カビ」が生えてしまいます。

夏は冷蔵庫で保存しましょう。

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農家では畑の土をかけて保存?

【畑での保存のやり方】
①畑に保存用の穴を掘ります。
 深さ40㎝、人参を斜めにすっぽり入れられる幅が必要です。
②人参の葉を根元で切り落す
③わら(なければ新聞紙)を敷く
④穴に人参を斜めに立てかけて入れる
⑤わらを人参にかけて、こんもりとなるように土をかぶせる
⑥人参の保存穴に目印の棒を立てる

水はけが良い土の中は、通気性があり苦手な光から守ってくれる最適空間であり、寒い冬でも温度が一定さを保てます。

人参が外気の寒さの影響を受けないよう、人参の上に20㎝以上は土をかけるのが一般的です。

諸説ありますが、葉の根元で切り落すのは、3月頃から暖かくなってきた時に、人参の葉が育ってしまうのを防ぐ為です。

わらや新聞紙を敷くのは、通気性を高めカビを防ぐことと、掘り出すときに作業が楽にするためです。

その地域の気候によりますが、3月までは越冬して良い状態で食べられると言われています。

これは、マンションのベランダや庭先などでプランターでも活用できる保存方法です。

畑よりは土の深さがない分、期間は短くなりますが、土の中で保存した人参は収穫した状態に近い姿で長期保存が可能です。

ただし、凍結の可能性がある寒冷地ではオススメできません。

(参考文献:有機・無農薬でできる野菜づくり大事典 著:金子美登)

まとめ

長持ちしそうで意外と腐りやすい人参。

人参が苦手な要素の水気、乾燥、光を克服すれば長期保存が可能です。

年中各地で収穫される人参は産地や時期でさまざまな美味しさを楽しめる人気野菜です。

環境や季節に合わせた最適な保存方法を活用できれば、産地直送の箱買いや特売の大量買いも怖くないですね。